今回は『副業税金の教科書〜税理士が教えるアフィリエイト・コンテンツ販売の確定申告〜』の書評をしていきます。
本書は、アフィリエイトやコンテンツ販売を行う副業者が直面する確定申告や税金の悩みを、税理士の視点からやさしく解説した一冊です。副業初心者でもスムーズに確定申告を行えるよう、具体例と手順がしっかりまとめられています。
書籍紹介
| 書籍名 | 副業税金の教科書〜税理士が教えるアフィリエイト・コンテンツ販売の確定申告〜 |
| 著者 | 税理士 なっつ |
| 出版社 | Kindle出版 |
| 発売日 | 2022年12月10日 |
概要
本書は、アフィリエイトやコンテンツ販売を中心に副業をしている会社員が、スムーズに確定申告を行えるようになることを目的とした税金の入門書です。著者自身も副業経験者であり、コンテンツ販売で月収30万円を超えたリアルな経験に基づいた解説がなされている点が特徴的です。
内容は、所得の種類や確定申告の基礎知識から始まり、実際の売上や経費の処理方法、必要書類の保存義務に至るまで、ステップごとに構成されています。とくに、売上が発生したタイミングでの正しい計上方法や、経費の按分計算、減価償却の具体例など、実践的な情報が豊富です。
Q&A形式ではないものの、スマホでの閲覧に最適化された読みやすい構成となっており、はじめて税金に触れる方にもわかりやすい内容となっています。副業者として避けて通れない確定申告について、最短距離で理解できるガイドブックです。
本書を読むことで得られること
- アフィリエイトやコンテンツ販売の売上計上の正しいタイミングが理解できる
報酬確定日やサービス提供日を基準に売上計上するという実務的な説明が豊富 - 副業にかかる経費の判断基準と処理方法が身につく
教材費・手数料・家賃や電気代の按分まで、経費にできるか否かの線引きを明確に解説 - 確定申告が必要な条件とその背景がわかる
雑所得が20万円を超える場合の対応や収入と所得の違いを丁寧に説明 - 簡便な「現金主義の特例」の使い方が学べる
収入が300万円以下の人向けに、入出金ベースでの申告方法を具体的に提示 - 電子保存の義務と猶予期間について正しく理解できる
電子取引の保存義務化について、現時点での対応方法と今後の注意点を案内
本書を読んだ感想
税金の知識というと、どうしても難解でとっつきにくい印象を持ちがちですが、本書はそのハードルを見事に下げてくれます。特にアフィリエイトやBrain、note、Kindleなど具体的なサービスごとの売上計上ルールが書かれており、自分のケースに照らし合わせて読み進めやすかったです。
経費の説明も、「これは経費になる」「これはダメ」とはっきり線引きされているので、迷いなく処理ができるようになります。例えば、作業用のカフェ代や家賃の按分、減価償却の具体例など、実際の処理に直結する情報が多く、非常に実用的でした。
また、税理士の立場からだけでなく、自ら副業経験がある著者だからこその視点が随所にあり、「自分にもできそう」と感じさせてくれるのが本書の魅力だと思います。確定申告で毎年悩んでいる方はもちろん、これから副業を始めようという方にも強くおすすめしたい内容です。
本書の評価
★★★★★
副業に特化した税金の教科書として、実用性と親しみやすさを兼ね備えた素晴らしい一冊です。具体例が豊富で、専門用語も噛み砕いて説明されているため、税金が苦手な方でも安心して読み進められます。特にアフィリエイトやコンテンツ販売を行っている方には、まさに「必要な情報が全部詰まっている」と言っても過言ではありません。
本書がおすすめな人
- アフィリエイトやnote、Kindleなどで収益を上げている副業者
プラットフォーム別に売上計上のルールが丁寧に記載されている - 副業の確定申告が初めての人
ステップごとの手順や準備物が具体的に示されていて安心できる - 経費の線引きでいつも迷ってしまう人
何が経費になるのか明確に解説されており、処理しやすくなる - 雑所得300万円以下で現金主義を検討している人
特例の条件や記載方法が具体的に書かれている - 電子帳簿保存法に不安を感じている人
猶予期間中の対応方法が現実的にまとめられている
まとめ
『副業税金の教科書』は、アフィリエイトやコンテンツ販売といった現代的な副業に対応した、非常に実践的な税金ガイドブックです。税理士でありながら副業実践者でもある著者ならではの視点が詰まっており、理論と実務のバランスが絶妙です。確定申告に対する不安が強い方でも、本書を読めば自信をもって処理できるようになるはずです。副業者の「税金の悩み」を解決する一冊として、ぜひ手元に置いておきたい一冊です。
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